画像補正による色合わせ

※2014年11月17日に掲載された記事です。

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見本と印刷物の色を合わせるために、画像の補正をします。
写真などのデータを印刷物の色見本に合わせて、補正や修正をすることです。
お客さまの好みや要望、印刷する紙の種類によって画像補正の手順は変わります。

 

RGBとCMYKの色域と画像補正

デジタルカメラなどの画像データの色域は光の三原色であるRGBです。
オフセット印刷の場合、このデータをCMYKに変換しなくてはなりません。
オンデマンド印刷では、RGB画像を機械でCMYKに変換して出力することができます。

RGBのデータは、CMYKに変換する前に、画像補正を行います。
RGB画像だと自由度も高く、色の変化がわかりやすので、
彩度や明度、コントラストの調整などを早くきれいに補正することができます。
CMYKに変換してしまうと色域が狭められるので、補正をするのに限界があります。

例えば、グレーを再現する場合、C(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)の3色を
同じ量で混ぜ合わせてもきれいなグレーにはなりません。
RGBの場合は、グレーを再現するのにRGBが等量になり、バランスが作りやすいのです。
きれいな色で印刷するためには、CMYKを4:2:2:0の割合で色のバランスを調整しています。
手順としては、RGBで大まかに修正し、CMYKで調整する形になります。

 

印刷物とデータによる画像補正

色見本(印刷物)に色を合わせる場合、紙の種類ごとにキャリブレートしたモニターを
使用しています。
印刷用紙の種類(コート系/マット系/上質系)の色味に合うようにモニターを調整し、
紙質の違いで変わる色の見え方をモニター上で再現します。
モニターを見ながら、印刷のための基本の補正と、シミュレーションされた画面での
色味の微調整を行います。

 

紙の種類と画像補正

オフセット印刷の場合、マット系、上質紙はインクをたくさん吸収するので、
標準であるコート紙とは違い、色のインキ量を考慮して色の補正を行います。
例えば、影の部分のインクをCMYの3色ではなく、K(黒)に置き換えることによって
インクの量を減らします。
画像内容によって、色を置き換える割合が変わってきます。

 

肌色の画像補正

女性の肌などはC3:M 5:Y 5:K 0の割合でバランスを調節しています。
男性の場合は女性より気持ちC(シアン)を多めにし、硬めの肌にします。
お客さまによって異なる画像の好みやイメージがあるので、
ヒアリングを行ってから修正を行います。

グレーや紫などの中間色が多い画像は、微妙なインクの割合で見た目が変わりやすいので、
画像を色見本の色に近づける補正をしてから、実際に印刷をして修正を行うこともあります。

 

データ形式と画像補正

画像は「jpg」形式が一般的ですが、jpgは非可逆圧縮(圧縮前と圧縮後のデータが一致しない圧縮方法)ファイルですので加工するたびに画質が劣化します。
「psd」や「eps」「tiff」などの形式だと劣化せずに、画像補正が可能です。

画像の解像度は、カラーの原寸で350dpi ※ 、モノクロだと300dpiあれば、
充分印刷用のデータとして使用できます。

※ dpi=1インチにドットがいくつあるかという単位。
350dpi=1インチに350個ドットが入っているということ。

画像を補正する時は、印刷物を色見本に合わせるための色の数値管理と、
紙の種類によるインク量の違いを考慮して色のバランスを調整しています。