店頭での販売に苦戦している化粧品販売会社様は多いのではないでしょうか。
外的影響もあり、計画で見込んでいた通りになかなか結果が出ない。
そんな中でも、全部が全部悪いわけではないようです。
ゴール設定を変更する必要があるかもしれません。
パッケージ・ディレクションについての話。
いいパッケージづくりは、「ゴールの設定」からはじまります。
ゴールは「山登り」に例えると、登りたい「山の頂上」です。
頂上目指して登るルートは1つではなく、幾通りもあると思われます。
ただ、どんなルートで登れば「景色」がいいのか。
もしくは、「好きな花」が見られるのか。
もしくは、「海」が見られるのか。
アテンドする方は豊富な経験から1つの道よりも、
お客様の目的やイメージに合った「魅力的なプランニング」が求められます。
決まった予算が、デザインイメージにふさわしいパッケージ印刷加工の仕様かどうか。
これはディレクションでも重要な仕事で、いくら素晴らしいイメージをもってしても、
最終仕上がってみると色や形、手触りなどの五感に訴える出来栄えが直感的に違う。
というケースはよくあります。
なぜ、そのズレは生じるのでしょうか。
理由のひとつに、ゴールまでアテンドされる方の「感性」「経験値」があります。
お金をかければいいモノができると言われていますが、私はそうは思いません。
やはり作り手の感性によって、良し悪しがあるように思います。
つくりたいデザインイメージをどう解釈し、イメージをどう印刷加工で表現するのか。
モニターの中でつくられたイメージは、イメージに過ぎない。
紙の上に目視で確認できない小さな網の色の重なりがプレスされ、
表面をコーティングし光の屈折をつかってリアリティを持たせる。
フラットな平面をエンボスやニスをつかって立体的な表層をつくりあげ、
打ち抜き、糊貼りによって立体に起こしていく。
立体に起こす工程も紙厚によって罫の高さを調整したり、
糊貼りでの傷が入りにくいベルト厚の調整が微妙な数値で調整されている。
たくさんの工程を経て、デザインイメージからパッケージはつくられている。
ゴールにたどり着くまでに、どんなルートを通り、どんなメリットデメリットがあるのか。
これを営業もしくはディレクターが、魅力的なプランニングをつくるには至難の業である。
「感性」と「経験値」
経験があっても、どんなパッケージをつくってきたのかが大事だし、
感性があっても、つくってきたパッケージの経験が少なければリスクは伴います。
どんなに素晴らしいデザインイメージがあったとしても、
カタチにならないことには、エンドユーザーはその世界観を体感することはできない。
決まった予算の中で、いかにゴール設定を明確にし、
どこに重きを置きながらイメージをカタチにしていくのか。
ここが、良いパッケージづくりの分岐点と私は考えます。
パッケージは、お客様の商品そのもの。
お客様の想いや情熱、時間、商品を通して実現したい未来が詰まっています。
私たちは、そういった想いに応えることができるモノづくりを目指しています。